グリーンカレー倶楽部代表 三田 豊
グリーンカレー倶楽部代表 三田 豊

カレーと言えば、日本人の多くの人たちが好きな食べ物である。私が小さい頃、父親が小麦粉を油とカレー粉で炒めてルーを作り、ジャガイモ、人参、玉ネギ、少しの肉を入れて、大家族のために1ヶ月に1回位、大鍋にカレーを作ってくれた。香ばしいかおりのカレーをご飯に盛りガツガツ食べた記憶がよみがえる。 父親は戦中、海軍の水兵で、東南アジアを中心に海中の測量船に乗っていた。潜水艦や軍艦の水路安全確保のため海路図を作る。父親が言うには地球を3周する位の距離を航海したそうだ。当時の海軍は各国の港で補給を受け、水兵もその国に上陸してその地の食事をしたようで文化や食生活の情報を多く得て、かつ、味わったことが父親の見聞を広げたようだ。酒に酔うと、「私のラバさん酋長の娘~色は黒いが南洋じゃ美人~」などと歌っているのを見ていると、彼の青春は戦争による暗い時代と、戦争がなければ海外も見られなかった、混在した人生であったろう。 もうかれこれ20年前になるが、家族4人と母親、5人でインドネシアのバリ島に1週間旅行したことがある。母にとって初めての海外旅行である。父が戦争中たぶん、バリ島に寄港したことは間違いない。父が青春時代訪れたであろう地を見せてあげたいとの思いである。母もひとり、岩手で働きずくめ、子供の1人として親孝行のつもりである。
バリ島も、天国にいちばん近い島と言われるような、自然と人間が共存して生きている。真っ赤な太陽が水平線に沈んでいく夕暮れの風景は言葉に表せない。バリ島の食事が母親の口に合うか心配していたが心配無用、何でもおいしいと食べてくれた。父の魂が乗り移ったような気がした。当時64才の母も年をとり現在84才。三田一族の中で一番長生きしている。これも兄夫婦の心の優しさが支えている。 さて、時が経ち、10年前、仕事でタイを訪問した。タイ料理を沢山いただいた。インドネシアもタイも同じ食文化、違和感は全然ない。タイ料理の中で初めて口にしたのがグリーンカレーであった。小さい頃から味わっている日本のカレーとは全然違う。サラッとスープのようなカレー。驚いた。辛くて甘い(そんな感想を口にする人が多い)。そして美味しい!こんな不思議な味のカレーは初めてだ。グリーンカレーは、青唐辛子、レモングラス、ニンニク、ガランガー、エシャロット、シュリンプペースト、ライムリーフ、コリアンダー、クミン、ターメリック、塩、胡椒などを原料としたペーストにココナッツミルク等で作るココナッツカレーである。私はインドネシア人のシェフ、ジュールさんと知り合い、彼の手作りのインドネシア料理をいただいた。このさまざまな料理の中で彼の考案したグリーンカレーが一番おいしく何回も続けて食べた。辛味の中にもココナッツミルクベースのカレーは、後味を弾き何遍も食べたいとの意識が強烈である(どこよりも美味しいと思う!)。美容と健康にも一番、この味を是非日本全国に普及すべくグリーンカレー倶楽部の発足に至る。




